ダイノジ大谷さんのSMAP論によせて

お笑いが好きで、SMAPが好きな私として、やはりダイノジ大谷さんが語った「SMAP is back!」の話についての感想を残しておきたいところです。
私は、動画サイトに音声が上がっていたのを偶然発見して聞きました。1度聞いただけなのですが、概要は以下の感じだと思います。
SMAPは批評型アイドルの先駆けであり、今現在その批評型アイドルのトップを張る嵐やPerfumeの礎となったものである。
②90年代半ばからの音楽センスはすごかった。常に時代の半歩先を行くスタンスで、男性でもSMAP(というジャニーズ音楽)を歌うことが普通になった。
③契機となったのは「がんばりましょう」。それまでのジャニーズは、少女マンガ的世界だったり非日常だったり(「仮面舞踏会」「ガラスの十代」など)を歌っていたのが、ごく平凡な若者の日常が歌われるようになった。
④90年代後半も、SHAKE、夜空ノムコウ、らいおんハート、オレンジなど佳曲が連発されるが、2003年の世界にひとつだけの花で「国民的アイドル」としてのその地位が確固としたものに。
⑤しかし、それを機に、それまでの半歩先を行く攻めのスタンスではなく、万人に愛されるような「世間に迎合した」ものが発表されるようになる。と同時に、ダイノジ大谷さん的には「つまらないもの」になり、SMAPは終わった・・・と。
⑥それが、2010年頭のスマスマで、ノリノリでないKAT-TUNさんに向かって「笑ってはりきって入ってこいよ!」と喝を入れたあたりから、「あれ・・・?今年のSMAPは違うな・・・」と大谷さんが感じ始めたそうで。その感じが、This is loveのリリースでより確信に変わったと。This is loveは音の少ない曲だそうで、ふつうならシングルにしない、と。あの曲をシングルとして出すことがSMAPすげえ、だそうです。
⑦さらに、ここ数年、原作があるドラマや映画を中心にやっていたSMAPさん、それは「安牌」な印象だったとか。それもあって「SMAP冒険しねーなー」という印象だったのに、ここにきて十三人の刺客での稲垣吾郎の怪演。映画が終わったあと、「SMAP is back!!!!!」と叫ぶくらいだったとか。
大谷さんのお話は(多分)ざっとこんな感じでした。で、それに対して思ったことをちょこちょこと残そうと思います。せっかくこんなに興味深いネタなので。
まず、②に関しては音楽的素養がまったくない残念な私にはよくわからない、というのが正直なところです。ただ、90年代半ばから後半にかけてのSMAPさんの楽曲はすばらしかった、というのはいろんなところで聞く話な気がするので、きっとそうなのでしょう(なんて適当な)。
③に関しては、大谷さん曰く、メンバーではごろちゃんが最初にがんばりましょうを評価したそうです。他のメンバーは「ダサい曲!」とする中、ごろちゃんは「いや、この曲はおもしろい」としたとか。私も大谷さんの話を聞いて、なるほど確かにやたら現実感のある歌詞だなぁ、とあらためて思いました。血圧はどんぞこでねぐせだらけの顔でなんだかなぁもう。とか。後は、たぶんオーライのAメロなんかもそうですし。
④に関しては言わずもがなですが、オレンジの人気がやたら高くてびっくりです。SMAPファンじゃなくても多くの人が知ってるカップリング曲。私も好きですが、オレンジ以外にもいいカップリング曲もいっぱいあるんですけどねぇ。特にここオレンジ以降は好きにならないカップリング曲はないってくらいに好きな曲ばかりです。僕は君をつれてゆく、優しい言葉、Piece of World、Two of us、スーパースター、Secret Summerあたりとか。そして世界にひとつだけの花の大ヒットです。世界にひとつだけの花は、もともとのアルバムに入っていたバージョンのほうがすっきりしていて好き。
そして⑤ですが、これは全面的に同意。いわゆる「国民的アイドル」として認められたと同時に、リリースされる曲に面白みがなくなってしまった・・・と感じることがちょこちょこありました。そして、たとえば友達へとかTriangleとかがリリースされるときに中居さんが「売れるんだろうな・・・」と言うのがとてもイヤでした。なんだかスマップの攻めてる感がなくて、その代わりにいろんなもののアイコンにされていく・・・みたいな感じが。ただ、個人的には曲のリリース以外の部分では「国民的アイドル」にあぐらをかいているとは思わなかったので、スマップ終わった・・・とは思わなかったのですが。
さらに⑥。スマスマのKAT-TUNへの喝については、番組の演出として特になんとも思わなかったのですが、ただ、スマップのみなさんが「アイドル」であることにプライドを持っているようで、それが嬉しかったです。This is loveについては大谷さんとはまったく逆で、We are SMAPに入っている曲とあわせても、個人的にはThis is loveが一番好きだったので、シングルには地味だなどとはまったく思いませんでした。私は今年の仕事ではやっぱりどっきりドラマが一番攻めてる仕事だったなぁと思います。
最後に⑦。大谷さんが十三人の刺客のごろちゃんのすばらしさを褒めまくっていたのが印象的でした。あの役をできるジャニーズタレントはほかにいるのか、と。男が好きになるアイドル、それがSMAP、と。90年代半ばに世の中の男性がSMAPに興味を持ち始めた頃のように、今またSMAPに男性が夢中になる、と。批評型アイドルとして、やっぱり彼らは第一線にいる、と。特に、後輩さんたちがぐいぐい来ているこの時期に、40歳手前にしてアイドルとして第一線にいようとし続けるSMAPがかっこいい、と。SMAP is back!!です。最後の、彼らがただ単純に後輩に後塵を譲るのではなく、今もなおトップでい続けているというくだりでは、そんなところが泥臭くてすごくすごく素敵だとあらためて思いました。まあ、私はもともとSMAP has gone...とも思っていなかったので、SMAP is still alive!!といった気持ちでしょうか。今年のライブといろんな仕事とあわせて、やっぱりSMAPだ。